ゲオスミン様臭のウナギ





2008年7月16日、三重県内某川(ほぼ淡水)にて、異常に臭いウナギを釣りました。
通常、ウナギは体表はウナギのヌメリと川の臭いの混ざったような臭いがし、開いた内側の身は ウナギ独特の臭いがほんのりするのですが、この個体は体表、内側共にゲオスミン様の臭いが 強く感じられました。 ゲオスミンの臭いは特徴的で、人によっては雨の降った後の地面のような臭いなどと言われたり、また 水道水のカビ臭の原因ともなります。 この個体は捌いて冷凍した後、8月27日に解凍し、一部をいつも通りに焼いて食べましたが、臭いは しっかり残っていました。残りの身は30分ほど酢に漬ける、湯引きするなどして焼いてみましたが、臭いは消えませんでした。
私はこれまでに200本以上の天然ウナギを食べてきましたが、このような個体は初めてでした。 極めて稀な例だとは思いますが、極度に富栄養化した淡水域ではこのようなウナギが釣れる可能性が あります。また、これらの個体は、いわゆる“泥抜き”をしても意味がなく(参考:「魚貝類の生息環境と 着臭」)、臭い成分はほぼ抜けないため、手の打ちようがないというのが現実です。
ただし、この個体については尻尾付近だけは臭みが薄くなっていました。おそらく身が薄く、他の部分に 比べよく焼けたからだと考えられます。従って、身全体を焦げるくらいまでよく焼けば、もしかすると 気にならない程度の臭いになるかもしれません。



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