タレの作り方
タレの作り方
○はじめに
ウナギの調理にこだわり始めると、気になってくるのがこのタレです。
せっかく自分で釣ったウナギを蒲焼きにするわけですから、タレだって市販のものではなくオリジナルで
挑戦してみたいものです。また、市販のタレは良い物はなかなか値が張るため、
沢山のウナギを釣って食べる者にとっては自分で作った方がかえってお得かもしれません。
ここでは私が普段行っている方法を一例として紹介します。この方法は比較的失敗が少なく、
初心者の方にはお勧めです。
尚、私は名古屋近郊在住であり、多分に漏れず濃厚なタレが好みです。よって、当ページのタレは
名古屋好みの分量となっています。
※フラッシュ撮影のため、一部色が見難かったりする部分がありますがご了承下さい。
【道具・材料】
・鍋(2つ。小さいものが良い)
・魚焼き器
・濃口醤油:約300mL(ものによって加減します)
・酒:約250mL(もう少し多くても構いませんが多いほど時間がかかります)
・みりん:約200mL
・砂糖:約180g
・はちみつ:小さじ1〜2
【作り方】
(1)ウナギの頭、骨をよく焼く
ウナギの頭と骨を焼きます。特に頭は中まで焼け難く、生焼けだとタレが生臭くなる原因となるので、
じっくり、しっかり焼きます。これらはタレを作る際入れると良いダシが出ますが、あまり入れ過ぎても
メリットはありません。
(2)材料を煮立てる
はちみつ小さじ1〜2、砂糖約180g、酒約200mL、みりん約200mL、醤油200mLを鍋に入れ、
砂糖、はちみつをかき混ぜて溶かしながら
強火で煮立たせます。煮立ったらアクを取って
1分ほどそのまま強火、その後弱火にします。
(3)骨、頭と共に煮詰める
弱火にしたところです。先の頭と骨を入れ、カサが5、6割程度になるまでゆっくり1時間〜1時間半ほどかけて煮詰めていきます。面倒ですがこまめに様子を見つつ、
アクを取りながら煮詰めましょう。
また、弱火でないと醤油が焦げ付き、タレのえぐ味が増したり、妙に醤油辛くなったりします。(ある程度までならそれも個性ですが)
(4)残りの醤油を煮立てる
残りの醤油約100mLは酒約50mLと合わせ、別の鍋で煮立たせます。煮立ったらすぐに火を止めます。醤油に火を通すことで、
醤油の“カド”を取ります。また特有の醤油臭さが取れます。
(5)合わせる
これを先の煮詰めたもの(右写真)と合わせ、少し弱火で加熱します。これでほぼ出来上がりです。
時にこのあと少しタマリ(たまり醤油あるいは刺身たまり)を加えることもあります。完成したタレは、
タッパー等に入れて冷蔵庫に入れておきますが、頻繁に使うのであれば常温でも構いません。
私のタレは基本的に濃いので、薄くしたい場合には、酒の比率を増やすと良いでしょう。
甘辛加減は、砂糖の量を増減させることでおよそ調節できます。
尚、このページでは失敗し難い簡単な方法として、二つの鍋を使う方法を紹介しましたが、同じ分量で
全て同時に煮詰めても構いません。
○おわりに
タレはまだ完成ではありません。このタレを何度も使うことによって、ウナギの脂が混じり、熟成されて、より
丸みのある美味しいタレに変化するのです。これもまた、ウナギの調理、タレ作りの楽しみの一つと言えるでしょう。
余談ですが材料は良いものがあれば良いものを使った方が美味しいタレができます。特に醤油は良い物であれば
あるほど、アクがあまり出ず丸みのある良いタレができる印象があります(私はいつもあり合わせの材料で作りますが・・・)
最後に、タレ作りを行う上でよくある失敗と、その原因として考えられるものを書いておきます。これもタレ作りの
参考にして頂ければと思います。
○よくある失敗の例
(1)臭い
→骨、頭の焼きが甘いか、入れ過ぎると生臭くなりやすいです。また、強火で煮詰めると焦げ臭くなります。
(2)雑味が多い
→アク取りが徹底していない事が主な原因です。元々の醤油が酸化しすぎているとこうなるかも・・・。
(3)えぐみが強い
→煮詰め過ぎか、火力が強すぎて醤油が焦げたと考えられます。
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